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産地研修2018 ~岩井さん~

昼食後、向かったのは、たちばなファームさん。

浜松の西端から中央に寄ったところにある。
根洗という場所にある。

赤土土壌の三方原台地に位置する。

事務所に隣接した場所に、2反ほどの面積の畑がある。
約束した時間よりも15分ほど早かったが、13名で押しかけると、さすがに聞こえるらしい。

奥の畑から、園主である岩井さんが収穫したばかりのインゲンを抱え、汗びっしょりで現れた。

「いや、少し時間があったんで、少しでもとっておこうと思って。」

黒縁のめがねで、人懐っこい顔で笑って迎えてくださった。

後で聞いたことだが、前日は東京で講習会に参加していた。
朝4時に鈍行の電車にのり、浜松に戻ってきたそうな。

そんな雰囲気を微塵も感じさせず、我々を迎えてくださり、有難かった。

みかんの畑を案内された後、ある木に立ち止まった。

バラ科の葉。
果実も桃に似ている。

事務所から出てきてくださった岩井さんのお母様に水を向けると

「ああ、これ。アーモンド。これは私の趣味でね。」

アーモンド!

桃と同じバラ科で、種の中の核というか仁の部分を食べる。
鹿児島のほうで、「これから作る」という方には会ったことがあるが、まさかこんな身近にあると思わなかった。

「まあ、でもこれは趣味でね。販売はしていなくて、周りの人がもらってくの。周りの柔らかい部分が、だんだんと腐って行ってね。種だけがめくれて出てきたら、ちょうど割れる角度があるから、こうやって割るの。」

裏から、剪定用のはさみを持ち出して、割ってくださった。

「生だから、やっぱりうまくいかないね。」

うまく割れなかったが、アーモンドが、いかに貴重なものか、思い知らされた。

「あんなにポリポリ食べてられないね!」

本当にそう思った。
収穫も、仁を取り出すのも、手作業ではちょっと考えられない。

そのまままっすぐ進むと、デコポンや大橘の木の間に、見覚えのある木がある。