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産地研修2018 ~永田さん6~

じゃがいもに隣接した畑には、かぼちゃが植えてある。

これまた、丁寧に作られていた。

品種は、栗かぼちゃの代表格である「ほっこり133」と今年あらたに導入した新品種。

「ふざけた名前でね、”ブラックのジョー”っていうんだ」と笑う永田さん。

そういえば、黒さが濃いような。

どちらも一株一果。

ツルを一本伸ばし、ひとつだけ実をならせる仕立て方だ。
永田さんは、長きにわたってこのやり方を北海道の雪化粧かぼちゃに先導した。

かぼちゃには、必ずあたりはずれがある。
なぜなら、一株から3玉も4玉も収穫してしまうから。
1玉収穫した後に結実した二番果も収穫して出荷するから、なおさら、食味にばらつきが出る。

それを防ぐのが、一株一果だ。

栄養が一玉だけに集中するので、当たりはずれが出ない。
デメリットを言えば、大玉になるのと、それでも収穫量が落ちることか。

畑にはワラが敷き詰められ、かぼちゃの下には、さぶとん=皿?ザル?がしかれ、頭にはカサがついている。

外観をよくするための工夫だ。

ワラは、防草で、雑草が繁茂するのを防ぐ。
もちろん保温にもなる。

聞けば、近くを通りかかった米農家に直談判して、譲ってもらったのだとか。

かぼちゃの下に敷かれた皿は、”皿回し”といって、かぼちゃの色味が満遍なくつくために行う。
お尻の下の部分は日があたらず、そのままだと着色しない。

きれいに皿回しを失敗した(実施しなかった)かぼちゃ。

皿を定期的に回してあげることで、満遍なく日が当たるようにして、きちんとすべての面が緑になるようにするわけだ。

カサは、日焼け防止。
初夏の浜松はすでに直射日光がきつい。
日光がきつすぎると、緑がやや黒っぽくなる。

正直、ここまで根をつめて手を入れる農家はいない。
かぼちゃ専門農家ならまだしも、永田さんは複数品目を作っている。

なかなかの手間のかけようだ。

これはまた期待できそう。
収穫後、日のあたらない倉庫で、風に当てる。

「風乾(ふうかん)」という作業を経て、出荷になる。
あと一ヵ月後くらいか。

その頃が楽しみである。

「摘果(=間引き)がもれたのがあるな。」

見ると、ところどころに、かぼちゃの幼果がある。
その先には花も咲いている。
かぼちゃの幼果は、まったくもって丸ズッキーニ。

ぱきんと簡単に収穫できる。

おなかも減ってきたのであろう、そのまま、口にしてみると、なかなか美味しい。
ほっくりとしていて、ズッキーニよりも粉質で、甘い。

「あ、美味しい。甘い。」
「え。うそ、私も~。」
と次々に口にする。

「あ、美味しい~。」

カボッコリーとか、コリンキーとか、生で食べるかぼちゃ品種もあるくらいだから、当たり前といえば当たり前か。

ちなみに、ブラックのジョーのほうが、ほっこり133の幼果は美味しかった。

「みんな、お腹も減ってきたみたいだな!じゃあ、お昼に行こう!」

産地研修とはいえ、日ごろ、会社のために尽くしてくださっているスタッフさんたちである。
浜名湖を見渡すレイクビューのお店で、一番高いランチをセッティング。
舌鼓を打った。

舘山寺園にて。2500円の松ランチ。