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産地研修2018 ~永田さん1~

浜松の大久保町というところにある石塚さんの畑から、舘山寺の永田さんの畑までは、ちょうど浜名湖をはさんだところにある。

はまゆう大橋という有料道路で浜名湖を渡ってしまうと意外と近い。
15分ほどで、永田さんのご自宅前に着いた。

ご自宅前には、今は特段何も栽培していないが、冬~春までお願いしているプチヴェール畑の跡地に、小麦が植えてあった。

「舘山寺周辺の赤土は、とにかく固くなる。小麦を植えて、根を張らせて、土に空気を入れてやわらかくする、ということを狙っています。」

永田さんは、熊本県の天草出身で、関西も長い。
浜松に住んでもう数十年にもなるが、交友関係も広いし、方々に行っているせいか、遠州弁はほとんど出ない。

「小麦もできれば収穫したいのですが、さつまいもが始まる時期にあたり、忙しくなってしまうので、穂をつける前に、このまま土に埋めてしまいます。」

連作を防ぎ、緑肥としての役割も期待できる。

「ここはこのくらいにして、次の畑に行きましょう。」

車で10~30分くらいのエリアに、畑が点在している。

次の畑は、さといもだった。
赤土で育てたイモ類は、甘みがあって美味しい。

「ここは、”逆さ植え”という手法を使っています。普通は種芋の下のほうに子芋がつくわけですが、その、子芋がつくほうを上にして植えています。」
「畝が高いですね。」
「そう。逆さ植えにすることで、芋を成すのに少し負荷がかかるので、品質が良くなるのと、収穫が楽になります。畝が高いと、収穫の機械を入れたときに、深く掘らずに済み、万が一、さといもにあたっても、親芋であって、子芋のさといもも傷つけずに掘り出すことが可能です。」

高い畝の間には黒い防草シートが敷かれ、草が生えないようにしている。
その上には黒い潅水チューブが全圃場に通っており、基本的に水が常にあり、乾燥はしない。
さといもは、東南アジアの湿地が原生地だから、水が常に必要なのだ。

冬から春作は、キャベツ、プチヴェール、ケール、だいこんも植えている。
春から夏は、じゃがいも9種類、さといも、玉ねぎ、かぼちゃ、ハウススイカ、トマト、とうもろこし、etc.

そして、メインは、さつまいもだ。

点在する2.3haに、数種類のさつまいもを植えている。
1haが100m×100mだから、ちょうど野球場くらいの広さの畑がふたつあることになる。

なぜ、さつまいもか。