梅の季節がやってきた。
りょくけんで扱う梅は、和歌山県田辺のもの。
柑橘や梅でお世話になっている生産者グループで、紀の国りょくけんさんである。
紀州山地の、入り組んだ山々の中で育った梅は品質が良く、毎年、本当に良く誉められる。
大粒の梅のトップバッターが「古城」だ。
こじろ、と読む。
生産者さんとやり取りをし始めた頃は、”こじろう”に聞こえ、「小次郎」という品種だと思っていた。
大正時代に、那須正衛門という人物がもらった梅の木を植えているうちに、特に優れた枝が出て、それを選抜して、品質を固定していったのが、古城だ。
”古城”という名称は、那須家の屋号に由来する。
引き締まった果肉で、緑色がとても美しく、梅酒に最適。
最近はやっている梅エキスにも向く。
クエン酸が豊富で、「青いダイヤ」と表現する方もいるとか。
古城が登場して2週間位すると、同じく田辺を発祥の地とする「南高」が始まる。
なんこう、と読む。
明治35年に、高田定楠という方が、いただいた梅の木のひとつから、うっすらと紅を帯びる美しい梅の実を発見。
この枝を選抜し、優良品種の固定に努めた。
これを引き継いだのが、南高校の教師だった竹中氏。
高校の庭で育てていたものが特に優良で、性質が固定できたので、「南高」と呼ぶのだそうな。
果肉が厚く、香り、食味ともに良く、梅酒にしても、梅干にしても◎。
さらに二週間待つと、いよいよ真打が登場する。