会計作業の合間、和歌山の宇城さんと話す機会があった。
宇城家は、代々の柿農家で、お父様とは10年以上のお付き合い。
毎年、紀の川柿のお取引をさせていただいている。
息子さんは5年ほど前に、勤めを辞めて、Uターン。
柿はお父様に任せ、ご自身は、谷あいの渓谷で野菜を作っている。
宇城さんの柿畑があるほうから見た段々畑。 |
もともと流線型の棚田だったところを、畑作に切り替えた。
冷え込みが強く、日射時間が少ないのだが、なんだか美味しいものが取れる。
ただ、宇城さんの本領は、農業ではないかもしれない。
サラリーマンとして社会にもまれているので、いかに商いを回し、利益を出すか、良くご存知だ。
宇城さんが選んだのは、ジェラート。
和歌山は、お父様の柿はもちろん、桃などくだもの栽培も盛んだ。
周囲の農家を回り、正品でないくだものは容易に手に入る。
それをイタリアから仕入れたジェラートマシンに入れて、待てば、ジェラートが出来上がる。
冷凍の電気代はかかるが、ジュースやジャムと違い、ジェラートには賞味期限がない。
在庫リスクが0なのだ。
ご自宅の近くの道路は、風光明媚で、ツーリングの名所らしく、少し停めて、ジェラートを楽しむ方が多いらしい。
かなりヒットして、利益も出たところで、和歌山駅から声がかかり、テナントとして出店。
これが少しネックだったようで、出店場所がいまひとつだったり、デベロッパーさんである和歌山駅からの制約も多く、なかなか厳しいのだとか。
「これから、農業はどうなるんやろうなあ、と。」
宇城さんは、私のひとつ上。
経営者としても先輩で、いろいろと考えをめぐらせているようだ。