りょくけん東京

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子噺 社長日記

三本の矢よりも。

夜、決算作業を終わらせるため、事務所の宿泊を決めた頃。

「これは陣痛の痛み」

と妻からメールが入った。

「泊まってもよいけれど、できるだけ早く早朝に帰ってきて。」

ひとつのデータにつまづいていたときだった。
2時に就寝し、5時過ぎに起きて、帰宅。

それでもドアツードアで1時間15分かかる。

帰ると、妻はすでに入院の支度を済ませ、玄関を出ていて、今すぐ病院に連れて行って、というので、車で送った。

「子供たちは?」

「まだ寝ている。」

いや、まあそれでも、、、
長男の耳元でささやくと、

「あ、とーちゃん、お仕事行ってらっしゃい。」と寝ぼけ眼。

あ、いや、かあちゃん、生まれそうだから、病院に連れて行ってくるから、と一言言うと、目がかっと開き、「分かった。」と頼もしい言葉。
今年、小学校2年生。

ちょっと頼りにしすぎているかもしれないが、長男は、頼りになる。

「イタタ、イタタ。」という妻を近くの大学病院に送り、戻ると、息子3人は、ソファに座ってテレビを見ていた。

問題なかったようだ。

さて、どうしよう。
今日は、お店に出勤の日だ。

デイリーワークスケジュールとにらめっこし、働かない頭を一生懸命回した。
事務所、店のスタッフさんに報告とヘルプを依頼。
そして義母にもヘルプを依頼。

「生まれそうで・・・。」

公私にわたって、助けを求めた。

1時間半後、義母が来てくださり、3人の息子を託した。
私は病院に立ち寄り、苦しそうな妻の顔を見て、銀座店に出勤。

GW商戦。

早朝の嵐のような風と雨は収まり、すっかり晴れている。
思ったよりも忙しい売場。

14時37分。

「破水した今」と妻から連絡。

「ごめんなさい」と売場を任せて、病院に向かった。

45分後に、病院には着いたが、すでに生まれていた。

破水してから20分ほどには生まれていたようだ。

世間で言われるように、4人目の出産は早かった。

3652g。

なかなかのサイズ。

4人目の男子。

「お疲れ様。」と三人でほんわかとしていたら、騒がしい音が外でしている。

ドアが開き、息子3人と義母が現れた。

「!」

妻と何回か病院に来ていた長男が、弟と祖母を案内してきたようだ。

「なんでこれたの!?」と聞くと
「だって母ちゃんと来たことあるもん。」

それでも、広い大学病院。
オシム監督が倒れた際に運び込まれたくらい、なかなかの設備と広さの病院。

よくたどり着いたものだ、と親ながら感嘆した。

4人の男子。

思春期も、反抗期も、これからいろいろあるだろう。
これからもよろしく。

3本の矢よりも、4本の矢のほうがもっと強い!
そう信じて。

―私事でした。