ホワイトアスパラガスが始まった。
おそらくは、日本で唯一と言って良い、有機JAS認証を取得しているホワイトアスパラガスである。
アスパラガスを何とか販売したくて、りょくけんに入社して、すぐに産地開発に取り組んだ。
ユニクロが手がけたSKIPの時には、アスパラガスはなかったから、けっこう0からの取り組みだった。
壱岐のアスパラガスが、なんとか形になったが、それに続く長野や北海道の産地がなかなか見つからない。
アスパラガスは、除草剤を使う方がけっこう多く、何件も断れた。
「いや、除草剤使わないでアスパラは無理ですわ。」
その中で、出会えたのが赤木さんだった。
はじめ、少し嫌がられたが、何度かお願いして、やっと承諾してもらった。
赤木さんは、有機栽培を志していた。
「有機じゃなくても良いので、もう少しお値段を下げてほしい。」というようなことを最初に言ったかもしれない。
あるいは、「小売しかしてなくて、卸売りはしていないんですよ。」と、卸売りの前例がなかったからかかもしれない。
でも、何とか販売にこぎつけて、その後は、赤木さんにとっても、りょくけんにとっても良いお取引が続いている。
赤木さんは、販路が広がり、北海道中のレストランさんに卸売りを開始。
もうひとつの軸である有精卵と一緒に、札幌まで軽トラで、一軒一軒回っている。
一昨年前から、圃場が手狭になり、3倍以上の土地を買い、規模を大きくした。
りょくけんは、3年前から、デリカの大ヒット商品が生まれ、青果とともに、相乗効果が出ている。
それまで、ホワイトアスパラガスは、もっぱらゆでていた。
ホワイトアスパラガスの本場であるヨーロッパでは、土質のためか一定のエグミが出る。
日本で言うところの、山菜のような、少し刺激が好まれる。
ただ、エグミを和らげるため、レモン果汁を加えてゆでるとか、バターソースで和えたりするのが一般的。
10年前は、それに倣って、「ホワイトアスパラガスのボリート レモン風味」で販売していた。
高単価だったこともあるが、売れ行きはいまひとつ。
ここで生まれたのが、「ホワイトアスパラガスのグリル」である。
日本のホワイトアスパラガスは、ヨーロッパのものに比べて、エグミが少ない。
だからこそ可能な一品なのかもしれない。
甘味と旨みがいっそう凝縮し、香ばしい風味も手伝って、たちまち人気となった。
たくさんは作れないので、完売必至。
店頭で見かけた際には、ぜひお試しを。