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美味しさの見極め方 ~柑橘~

一番は、産地に行って、畑を見て、農家さんと話すことである。
美味しいものを作る志向のある方か否か、分かってくるものだ。

でも、多くの方がそんな時間はなく、そんなご縁もないのが本当のところだろう。

柑橘のよしあしを見定めるのには、いくつかポイントがある。

◎へた(専門的には果コウ※枝(かこうし)<※のぎへんに更と書く>という)の大きさ
◎お尻のリングがくっきり出ている。

その分野の本だと、「ヘタが緑色で、みずみずしく、はりがあるもの」とか書いてあるけれど、それは正確でない。

多くの柑橘類が、酸味を抜くために、収穫から一ヶ月おいて、「予措」をすることを考えると、ヘタが緑色のほうが良い、ということはまったくない。
果実の”はり”も失われているほうが、酸抜けして、果肉に粘りが出て、美味しい。

日持ちはかなり良く、ビニール袋に入れて、野菜室で保管すれば、1ヶ月は持つ。
仮に傷んでしまったならば、それは何かしら病気にかかっていたか、早生種や極早生種だったからだと思う。

早生や極早生種は、普通の品種よりも短期間で育つためか、総じて日持ちが悪い。

お尻の”リング”は、ちょっと分かりづらい表現だろう。
へたの反対側を見て、光に当てて、果皮に、円状のものが見えたら、良品。
のっぺりして、輪が見えないものは、いまひとつだ。
リングが見えるのは、中の果肉が充実して、その部分が盛り上がっている、ということだと思う。

光にあてると、盛り上がっている部分が”輪”に見える。

へたは、品種によって異なる。
みかんや、八朔など、本来は糖度が上がらない品種は、へたが小さいほうが良い。
これは、樹がやせて、子孫である果実に栄養を送り込もうと必死だった証だから。

逆に、不知火(デコポン)や、せとかなど、糖度が15度を品種的に優に超えていく柑橘は、へたが大きいほうが良い。
これらの柑橘は、糖度だけでなく、酸度も高め。
糖度は普通に上がるから、酸味をどう抜くか、というときに、へたが大きいほうが抜けやすい。
へたが小さいと、酸味が残る。

左よりも右の不知火のほうが美味しい。―ことが多い。

もちろん、これが絶対あるほど、青果は簡単ではないのだけれど、美味しい可能性は高くなる。
良ければ、参考にしてほしい。