八朔(はっさく)とは暦のひとつで、8月1日のことを言う。
その時分から食べられるようになるため、「八朔」という名がついたそうな。
実際には、8月よりもずっと後、2月から3月に収穫し、予措を行った後、3月くらいから販売が始まる。
高糖度系のオレンジみかんが大流行しているから、すっかり脇役に回った感があるが、美味しい八朔は、実に美味しい。
ひとつのキーワードが、”樹生り”。
樹に生らせすぎると、樹が疲れて弱ってしまうこともあり、樹上で完熟させる、ということは、あまり一般的でない。
だから早めに=1~3月にかけて、収穫して保管するわけだ。
そして、柑橘には隔年結果という問題がついて回る。
これは、一年ごとに豊作、不作が繰り返されるという柑橘生来の性質のこと。
和歌山の農家さんで、正賀さんという方がいらっしゃる。
「晩柑類にはちょっと乾きすぎる場所なんよ。」
といって案内された畑は、まるでスキー場のように傾斜があり、砂利だらけ。
乾燥が強く、甘い柑橘が収穫できるのだが、失敗する年も多い。
すごく好きな八朔なのだけれど、やっぱり今年2018年は不作。
できなかった。
こちらは来年の楽しみにするとして、今年は、紀の国りょくけん 和田さんの自社の畑から譲っていただくことにした。
「まだ樹になっているやつですよね?」
「はい、もちろん、美味しいですよ。」
そう確認し、今年は正賀さんの八朔は断念し、和田さんのものをいれることにした。
4月まで樹にならせた八朔。
さくさくした食感で、甘みあって、ほのかな苦味。
美味しいですよ~