完熟金柑やこん太の登場で、甘い金柑が有名になったが、それとまったく別物の金柑もある。
とにかくすっぱい。
細長い果形で、「長実(ながみ)」と呼ばれる。
3月までしっかり熟させると、糖度も12度くらいになるのだが、酸味が落ちない。
クエン酸が、疲労感を吹っ飛ばしてくれ、眠気も吹き飛ばしてくれるような強烈な酸味。
レモンみたいななのだが、甘みもしっかりあって、私は好きである。
砂糖を加えてつくる甘露煮などには、しっかりした酸味もあって、こちらのほうがお勧めかもしれない。
甘いりんごやみかん類が大流行の中、紅玉がお好きな方が、根強くいらっしゃる。
長実は、そんな方にきっと受け入れられる。
江戸時代に、中国船が遭難して、静岡の港に漂着し助けてもらったお礼に、と日本に伝えられたのが、完熟金柑とか、”たまたま”といわれる寧波(にんぽー)。
長実は、それよりもずっと前に日本にあったという。
今年は、不作で、あっという間に傷んでしまい、一粒も入荷しなかった。
そんな点と、決してメジャーにはならないだろう、という点で、次点として、紹介させていただいた。
来期こそ、紹介できれば・・・!