「じゃあ、せえので呼んでみましょう。」
移動はしたものの、いささか緊張して、厳かな雰囲気を残したまま、やや沈黙したところで、呼びかけた。
「ワラビぃ~ズ~!」
ややけたたましい、NHK「お母さんといっしょ」を思わせる音楽が鳴り始め、山菜のひとつ、「わらび」を模した緑の巻き物を首に巻いた前身緑ボーダーの二人が入場してきた。
山菜ロッケンローラー!ワラビーズ 入場! |
ややかがんだままの姿勢からだんだんと立ち上がっていく。
どうやら胞子が飛んで、生長しているところをあらわしているようだ。
戸惑い & 笑顔を見せる新入社員。
「世界初の山菜ロッケンローラー、ワラビーズです!」
何度か、このブログでも取り上げているが、りょくけん松屋銀座店が誇るツートップの男性アルバイトの一人だ。
週5回、正社員なみに働いていて、何度もそのオファーを出しているけれど、本業はこちらのバンド活動だから、と断られ続けている。
仮の姿の、八百屋アルバイトでは「今井さん」と呼んでいるが、本来の名前は「ひじき石塚」という。
私自身、初めて生で見る”今井さん”の本来の姿。
これまた緑ふちの、伊達めがねの奥で、表情がころころ変わり、目が、あんなに自分で意識して瞬きってできるんだ、くらいに、動かしたり。
お店のときよりもさらにハイテンションで、それでいて、いつもどおりのような、、、
不思議な気分だった。
「りょくけん東京のみなさーん、こんにちは~」
そこそこ元気に返す。
「こんにちは~」×8名。
「あれぇ?ちょっと元気ないな。みんな食物繊維のとりすぎで、声がでないのかな?もう一度行くよ、こんにちは~」
「こんにちは~!」×8名。
軽い自己紹介の後、新入社員さんをいじっていただき、曲目に入った。
一曲目は「ママベジタブル」。
「ママ、ママ、初めてサラダを食べたとき、僕にはマヨネーズは要らない~」
「ベジタブルベジ、タブルベジタ、ブルベジタ!」
そんな感じのロック。
一緒に歌ってください、と事前に言われたけれど、社長挨拶で頭をフルに使った私には早口言葉のようなサビにはまったくついていけなかった。
(不思議と、その後のデスクワークでは、このサビが繰り返し流れていたが・・・)
続いて、始まったのが―。
「最終入社試験です!」
へ・・・?