りょくけん東京

りょくけんだより
りょくけんだより~ BLOG ~

子噺 社長日記

森町の今井シェフを訪ねて4.

ほとんど仕組みの無かった時代に、渡欧して、修行をした今井さん。
(その”自分史”がまとめられた今井さんのブログがあったので、ご興味がある方は読んでほしい。http://www.white-dish.com/imai/yume.html)

穏やかな笑みで、カウンターの奥からこちらを見つめていた。

「今井さん!」

ずいぶんお年を召された印象。
しばらく来ていなかった事実を思い知らされる。
足を少し悪くされたのか、歩くスピードは決して速くない。

以前は、食事をしているお客様に、デザートのサーブが終わると、挨拶に回られていたが、今日はしていなかったのも、何か考えがあることなのかもしれない。

「永田さんたちは元気?」

今井さんと永田ファミリーは仲が良い。

「先生も亡くなったんだってね。ずいぶん経ってから、知ったんだよ。」

先生とは、永田照喜治のこと。

りょくけんの創始者の一人で、懇意にしていて、お互いを認め合っている仲だった。

照喜治さんが亡くなったことは、あまり公表もされず、葬儀も内々で行われた。
会社には、「なぜ知らせなかった?」というお声をずいぶんと頂戴したものだ。

今井さんもその一人。
懇意にしていただけに、知らせが無かったのは納得がいなかっただろう。

もう1年半が経つ。

そんな話を、少しだけして、山荘の宿舎に戻った。

「僕、いっぱい食べた。」

口々に息子たちが言った。
どこか誇らしげで、かわいかった。

星が、きれいだった。