レストラン 今井では、こどもにも、フルコースで出してくださる。
食べなれないものに対して、本当に箸が進まず、食わず嫌いの傾向がある息子たち。
「美味しい!」といって今日は食べてほしい。
前菜は「森町のサラダ」。
まさに前菜で、地元産のレタスに加えて、今井さんが得意とする燻製がトッピングされていて、鮭、鴨、ハム、ソーセージが細かくちりばめてある。
キウイとりんごも添えられて、旬の苺を使った赤いドレッシングが美しく、本当に素敵。
子供たちには見たことが無い食材が多く「これ何?」とひとつひとつ聞いてくる。
「鴨だよ。食べてみ。」
「うめえ。」
どこで覚えたのか、4歳の次男も、男らしい言葉を使う。
順調かに見えたが、「これキノコじゃない?」と長男がクレームを始めた。
キノコ嫌いの長男。
全部、自分で食べてほしかったが、あーだこーだ言われてもいやだったので、私がひょいっと食べた。
次男は、「僕はキノコ大丈夫。」と誇らしげ。
見たことの無いものは自分では食べようとしなかったが、私が口に運んであげると、ぱくっと食べた。
「フランス料理、美味しかった!ご馳走様でした!」と次男。
「!?」
コース料理を食べるのはもちろん初めて。
外側から順番にフォークとナイフを使うんだよ、と冒頭に説明していたものの、ポカンとしていたのを、すっかり忘れていた。
「何を言っているの、まだ一皿目。あと4皿は来るから、全部食べるんだよ。」
「え~僕、もうおなかいっぱいだよ。」
ぱっとシャツをめくり、ぽんぽん出ないのを確認し、「まだ食べられる!」と一喝(?)。
そうしている間に、スープが運ばれてきた。
野菜のスープ。
細かく刻まれた、白菜、にんじん、じゃがいも、しいたけ。
あ、しまった、またしいたけが・・・。
森町は、しいたけの産地で、けっこうよいものが手に入る。
即座に、長男が反応。
「またキノコはいってる~」とごねた。
一方で、次男と三男はすぐに飲み干した。
三男ニコニコ。
美味しかったらしい。
パンが美味しかったのと、つぼに入ったバターが気に入ったらしく、メインディッシュが来るまで、いつまでも食べていた。
「これ、どうやって塗るの?」
ロールパンにバターを塗るのは初めてだったようで、どこに塗るのか良く分からなかったようだ。
「塗ってあげるよ。」というのだが、気に入ってたので、「自分でやる!」と譲らない。
が、よくよく今、思い出してみれば、いつもは私が食パンの上にさっさと塗るので、本人たちはバターを塗った経験が無い。
違う環境が、彼らを妙にやる気にさせているようだった。