野菜が高騰している。
―という。
昨年の9月、10月に台風が産地を直撃し、その当時、撒かなくてはいけなかった種が撒けなかったり、撒いてはいたが、発芽したものが風にあおられ吹き飛ばされたり。
短期間で何度も襲われたので、まじめな農家さんであれば、撒いて飛ばされ、撒いて飛ばされ、と繰り返されたに違いない。
レタスやキャベツ、大根、白菜、ブロッコリーなどの影響が大きいようだ。
野菜の価格は、市場原理で動くから、あまり取れない時には、価格が上がる。
逆に、たくさん取れたときには、価格は下がる。
いっぱい取れて、農家さんはウハウハかといえば、一つ一つが下がるから、決してそういうわけではない。
俗に言う「豊作貧乏」である。
毎年、顕著なのは、キャベツで、一昨年は10kgで300円ということもあるほど豊作だった。
それが今年は、10kgで3000円近くまで行くそうだから、リスキーな商品である。
あまりにも豊作の時には、生産調整といって、畑でそのまま廃棄することだってある。
10kg300円ともなると、そのキャベツをつめるダンボール代のほうが高くつく、くらいの勢いになるからだ。
そこで、売る側、作る側、消費者のリスクを避けるために、契約栽培、契約単価という考えが生まれる。
どんなに不作でも、どんなに豊作でも、一定の価格を支払う、という考え方だ。
りょくけんでは、品質に対して対価を払う、という考え方だったので、不作でも豊作でも同じ単価を支払っている。
作るのが難しくても、きちんと作っていただいて、高い品質であれば、このお値段を支払いますよ、という約束である。
農家さんにしてみると、やっぱりこれはありがたい話のようで、その品質、その単価に向かって、努力することができるそうだ。
たとえば、台風が来て苗が飛ばされようとも、あの契約単価で買ってくれるなら、もう一回撒こうとか、病気が広まって全滅しそうならば、お金を払って防除することもできるし、一手間かけて虫をやっつけることもできる。
どんなに価格帯に谷あり山ありでも、10年タームで考えると、だいたいおしなべられる、とも聞く。
だがしかし。
今年は、いかんせん、高騰している期間が、長い。