「あ。」
目の前がフッと真っ黒になって消えた。
切ない瞬間だった。
ONKYO社のノートPCを使って早6年。
恥ずかしながら、私の歴代のノートPCの中でもっとも長く持った。
丈夫で有名なパナソニック社のレッツノートでさえ、3年程度だったから、よく持ったほうだろう。
放熱ファンがカタカタと音を鳴らすようになってからほぼ一年がたち、バッテリーもどうしようもなくなって昨年買い換えたほどだから、寿命なのだと思う。
ONKYO社は、すでにパソコンメーカーからは撤退している。
しかし、新興のパソコンメーカーであった工人舎というメーカーを買収して、一時期、パソコン業に本格参入した。
OFFICEのソフトが入って、5万円台だったので、購入した。
最近になって、とても不安定で、だましだまし使っていたが、やっぱりだめだった。
通勤途中の電車で発注を取りまとめる作業の最中に消えたので、ACアダプタに電源をつなげば、もしかしたら、と思ったが、うんともすんともいわなかった。
われながら私は仕事が多い。
その作業量を支えるのは、このノートPCだったので、ここ数日、トンと仕事が進まなかった。
ノートPCが壊れるのは何度も経験しているので、おおよそ大事なデータはすべてクラウドに保管している。
だから、その種の打撃はなかったのだが、長らく私を支えてくれたものが壊れ、少し感傷を感じる。