あ、美味しい…!
思わずそうつぶやいた。
ジョナゴールドは、私にとっては、少し古い、時代遅れの品種だと正直なところ思っている。
アメリカ生まれの品種で、紅玉ことジョナサンとゴールデンデリシャスの掛け合わせ。
甘さもあり、酸味もあり、シャキシャキとした食感が特徴だ。
ただ、ぼけやすいのも特徴で、割と早くぼそぼそした食感になってしまう。
奇跡のりんご、こと木村秋則さんのりんごは、酸味もきりっとありつつ、甘さもあり、極めてバランスの良い美味しいりんごだった。
※一般的に13度あると、りんごは美味しい。 |
せっかくだから、と皮ごと食べてみた。
皮が薄く、あまり違和感を感じない。
糖度も高い※。
玉サイズはさほど大きくないが、ずっしりと重い。
いわゆる46玉クラス※にもかかわらず、1玉230gあった。
気づいた点は二つ。
①芯がない。
ほぼ芯がなく、種以外すべて食べられる。
一般的に種の際(きわ)まで行くと、スジが入り固くて食べられない。
いただいたりんごは、それがない。
こんなことは初めてかもしれない。
どこまでも、果肉。
②茶色に褐変しない。
無肥料だから、おそらく変色しないだろうなと予想していた。
撮影のためにカットしたものを試しにそのままにしていたら、1時間経っても果肉は白いままだった。
↑1時間後に撮影したりんご断面。 |
多肥で育てたものは、肥料成分が未消化のまま残り、アクが出る。
これが、空気に触れると茶色になる。
そういえば、初めて木村さんのことを知ったニュースでも、木村さんのりんごは腐らない、とやっていたっけ。
実験してみたい気持ちもあるが、ここはやっぱり、りんごらしく、食べることにしよう。
↑何を隠そう、映画も見た※3。 |
※2 青果業界では、りんごのサイズを10㎏に入る玉サイズで表す。10㎏箱に32玉入るようであれば、32玉と呼ぶ。一般的なサイズは36玉クラス。おおよそ1玉300g。