店頭で「いらっしゃませ~」と画期出しをしていたら、突然、百貨店の社員さんがいらっしゃって聞いてきた。
「名前と顔が一致するお客様はどのくらいいますか?」
りょくけんは、常連のお客様が多い。
それが強みでもあり、弱み※でもある。
不敵な笑みを浮かべて
「百人くらい?」と聞かれたので
「そうですね、それくらい。」と回答した。
大雑把なメモ用紙には、5とか10とかいう数字がランダムに書かれていた。
りょくけん松屋銀座店では配送も多いので、お名前を伺う機会も多い。
だから、自然とお名前とお顔が一致する。
松屋銀座の5か条の一つが、お客様との絆を大切にする、なので、そういったことの実際の深度を調べているのかな、と勘繰っている。
だが、それからが落ち着かない。
お客様を接客するたびに、この方のお名前は…、と考えるようになってしまった。
この方は、これとこれを買って、保冷材は不要で、お箸は必要な方。
でもお名前は知らないなあ…。
この方はスタンプカードもお持ちで、袋不要の方。
お名前は○○様。
お。○○様。
クレジットカードを渡し忘れて、お電話を何度もしてご迷惑をおかけした方。
お。○○様。
先日お送りしたギフトは好評だったかな。
お。○○様。
今日はお休みなのか。
お。○○様。
紙袋を二重にして、と。
お、○○様。
野菜とお惣菜を両方買う方。
あれ、100名?
休憩に向かう途中、ア行のお客様を思い浮かべる。
アサ~様
アサ~様 ご姉妹。
アガ~様
・・・・。
閉店に向かうにつれて、冒頭の回答は、大丈夫、ウソでない、と思った。
ほっ