銀座にあるお店は、東京駅からのアクセスが良いためもあり、全国の農家さんがひょいと訪ねてくださることがある。
今日は、青森からわざわざ奈良岡さんが来てくださった。
奈良岡さんは、青りんごの面白いものがないかと8年ほど前に初めてお付き合いを開始したりんご農家さん。
当時は、「青林(せいりん)」の良い生産者さんを探していた。
青林は青りんごではあるが、蜜も極めてよく入り、食味良好、果肉も固めのりんごで、とても魅力を感じるりんごの一つだった。
食味が良く、蜜が入るという特徴の一方で、お尻が変に広がり、形も左右均等になりにくい、いわゆる外観の悪いりんごだった。
××なんだけれど、○○で美味しい。
私が好きなパターンである。
色々調べ上げて、ようやく奈良岡さんを見つけ出して、お取引をお願いしたが、その年はりんごが不作で、かなり高いときだったし、「青林は売れないので今年を最後にやめる、木を切る。」と決めていたので、奈良岡さんとしてはあまり前向きでなかったかもしれない。
「いやいや待ってください」と青林を打ち出したいし、この後もずっとお取引させてほしいので、ということで、その年をお付き合いいただき、そのあともずっと継続させていただいている、私自身も、思い入れの強い農家さんの一人だ。
松屋のお店で待ち合わせして、「どうですか、景気は?」から始まって、「ギンザシックス」を見てみたい、というので、一緒に見に行くことにした。
報道でもさんざん取り上げられた、新しい銀座の商業施設である。
旧 松坂屋銀座店の跡地にあり、森ビルと、大丸松坂屋が所属する「Jフロント」がタッグを組んだ最新鋭の商業施設だ。
かくいう私も初めて訪ねた。
B2の生鮮加工品売場は、どこのショップも面白そう。
こだわりのジャムやジュースがかなりの数のお店を、それぞれ展開していた。
奈良岡さんはりんご農家なので、加工品にも興味がある。
「ラベルや瓶のデザインに、だいぶお金をかけてますね。」というのが奈良岡さんの感想だった。
そのご指摘はあっていて、りょくけんでもジュースのラベルを変えた後、よく売れるようになってきた。
一通り見学した後、食事をご一緒にして、分かれた。
有用な情報も聞けたし、お互い、いうなれば社長なので、後輩として参考になる話も聞けた。
今期は、米ぬかとぼかし堆肥だけに、費料を減らし、りんごを作ってみる、とのこと。
どんな結果が出るのか、これまた楽しみである。