とうもろこしは、品種改良が激しい業界だ。
交配が簡易らしく、毎年のように優れた品種が発表される。
今、最も人気のある系統は、スーパースイート系という言われる品種群。
SSとも表記される。
少し前まで「ウルトラスイート系(US)」が主流だった。
それが、味来(みらい)という品種を皮切りに、次々とスーパースイート系の品種が市場に投入された。
共通するのは、非常に甘みが強く、15度以上の糖度があり、生食が可能なこと。
とうもろこしは、鮮度の良いものは、生食が可能だったが、収穫後、時間経過ででんぷん質が変質し、消化に悪く、おなかをくだすのが普通であった。
スーパースイート系は、粒皮がやわらかく、消化不良が少ないため、生食が可能となった。
多くの品種が生まれるとうもろこしだが、史上を席巻するのはいくつかの品種に限られるようである。
いくつか紹介してみようと思う。
グラビス。
ここ数年、とうもろこし人気もあり、4月とか5月から出荷されるようになった。
その時分のメインの品種。
早く出荷できる特徴があるが、甘さは今一つ。
歩味(あゆみ)
バイカラー(二色)の品種。甘く、暑さに強い。
他の品種に比べるとやや甘さは劣る印象。
味来(みらい)。
当時、鮮烈なデビューであったが、小振りの品種のため、最近ではあまり見られなくなった。
大きさが改良されて、味来の後に361とか番号が付くものが出ているが、それでも、あまり見られなくなっている。
ゴールドラッシュ。
ここ5年くらいでは最も作られている品種だと思う。
どこもかしこもゴールドラッシュ。
サイズが大きく、甘さが強い。
迷ったら、育てるにも買うにも、ゴールドラッシュが良いと思う。
恵味(めぐみ)
美味しい。ショ糖のような甘さがあって、とても甘い。
サニーショコラ。
ショ糖然とした甘さが強く、美味しい。
チョコレートのような甘さ、という意味でサニーショコラの名前がある。
甘々娘(かんかんむすめ)。
バイカラー(二色)の品種。とても甘い。
静岡の森町や山梨で多く栽培されている人気品種。
※嶽きみ(だけきみ)
青森の嶽高原で育つとうもろこし。
産地ブランドで、品種ではない。
”きみ”は津軽方言で、”きび”のことで、とうもろこしの意味。
様々な品種が作られている。
ちなみに、りょくけんで扱う嶽きみの品種は、恵味である。
きみひめ
山梨の種苗会社が開発した品種。
小振りだが、甘さが強く、生食もおすすめ。
今現在、りょくけんで扱う品種。
大ぶりの改良品種も一昨年から世に出たが、生産者の高齢化もあって、重量物の収穫、栽培など作業が困難で、もとの小振りの品種のみになった。
ピクニックコーン
通常のとうもろこしの1/2から1/3のくらいの大きさのとうもろこしで、非常に甘く、生食可能。
ただ、単価に結びつかないようで、市場にあまり出回らない。
正直なところ、味来からピクニックコーンまでは、甲乙つけがたい品種だと思う。
あとは、耐暑性だったり、その土地合うか合わないかは重要なファクターになると思う。
そういう意味で、ゴールドラッシュは、全国どこでも作られている、”はずれのない品種”。
ご購入の際に参考してほしい。