石原さん。大人数で押しかけたのにもかかわらず、いつもと変わらぬ笑顔で迎えてくださった。 |
会社は板橋で、お店は銀座だが、集合場所を新宿にしたのは訳がある。
渋滞が怖かったからだ。
とにかく都心を抜けるのに時間がかかる。
新宿まで電車ですっといければ、あとは高井戸と八王子だけが関門だ。
ただ、平日の早朝であれば、それは考えにくかった。
行程はこうだ。
7:00新宿発
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中央道 トイレ休憩
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9:30 石原農場着 なす見学
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10:30発
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11:00 旬果市場 小林さん とうもろこし、ベビーコーン、梨、桃 見学
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12:00発
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12:15 十割亭(蕎麦屋)
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13:00発
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14:00 高橋さん 桃、ぶどう 見学
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15:30発
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18:00 新宿着
おかげさまで、中央道はスイスイ進み、談合坂でトイレ休憩をとっても、9時には、第一の目的地である「石原農場」にたどり着いた。
都内は少し曇り空だったが、上野原のトンネルを抜けると青空が見え、甲府は晴れていた。
サクサクとバスを降りる。
◎風が気持ち良い。
車内後部座席をサロン式にしてもらい、トランプに興じていたため、ややバス酔いも起こっていた。
手を抜かないで良いトランプは久しぶりだった。
「ずいぶん早いじゃん。何人?」
石原農場のトップ、梅子さんが出迎えてくれた。
息子さんの慶一さんは、鉄パイプの切断を駐車場スペースで行っている最中だった。
9時半と言ってあったから、少し早い到着になってしまった。
「お早うございます!今日は大人数で押しかけてしまってすみません。店休日になったので、思い切って11人、連れてきました!」
石原農場は、いちご狩りを12月下旬~5月末まで行っている。
だから、小型バス一台を停めるようなスペースは優にある。
「あそこの建物が倉庫で、いつもなすの選果や箱詰めを行っている場所。ハウスはあそこもそこもあちらもそうで、苺が植わっています。」
「なすは?」
素朴なスタッフさんの質問に、少し躊躇した。
なすは輪作が必要である。
毎年最も大きいいちごハウスの裏方か、少し離れたところにある畑で栽培している。
が、今年は事情が変わった。
道路とリニアモーターカーの用地買収と区画整備が進み、その、”少し離れたところにある畑”が対象になってしまった。
石原さんとしては、公の金額で買っていただいても良かったようだが、目の前の田んぼと用地交換ということで、まとまったらしい。
これは間違いなく、メリットだったと思う。
8番の石原農場 いちご狩りの受付も兼ねているハウスの目の前の田んぼが手に入ったのだから。
と、その畑に目をやると、なすが植わっている。
6列くらいの畝だが、奥行きがけっこうある。
「あ、あそこにあるのがそうだと思います。」とスタッフさんに回答したが早いか、いったん奥に行っていた梅子さんがお盆を持ちながらニコニコしていらっしゃった。
お盆には、練乳の入ったトレーが11個あった。
「おばさんとこのいちご、ハウス片付けずに残しといたから食べてけし。」
―!?