5月13日のことだった。
二宮さんから電話が入った。
「先日は、お忙しいところお越しいただいてありがとうございました。突然のことなんですが、」
え。うそ。 と思った。
「おととい父が亡くなりまして。」
「え。」
「事故で。愛南の畑で、言ってたと思うんですけど、防除している最中に、道からスプレイヤーごと落ちてしまって、下敷きになってました。」
スプレイヤーや、トラクターの事故死について聞くのはこれが初めてではない。
とはいえ、心の整理がつかない。
しかも、つい2週間前に会った方だ。
崇誠さんは、もう落ち着いていて
「人手が少なくなるので、愛南の畑は手放そうと思って。なので申し訳ないのですが、河内晩柑は他を探してください。」
「河内晩柑はそれとして、本当にご愁傷様です。お通夜やご葬儀はもう?}
本当に突然でとにもかくにもご供養を、と思うだけだった。
決算処理も一息つき、会計士の方に後処理をお願いして、店舗に出勤する前の時間。
一週間ほど遅れている通販のカタログに取り掛かっているところだった。
もう仕事には手がつかなかった。
元の上司と、紹介してくれた道法さんに、SMSで連絡だけした。
心からご冥福をお祈りする。