石垣のやえやまファームさんに興味を持ったのは有機栽培のパインやミニトマトを冬に作っていることと、もうひとつ。
加工工場を自社で有していることだ。
なんとか頼み込んで、加工場も見せていただき、搾汁方法を伺った。
事前に私が調べた限り、パインを生果からジュースを搾っている工場は本州にはない。
沖縄に二か所、と思っていたが、よくよく伺うと石垣には、やえやまファームさんのみだが、沖縄本島には、やえやまファームさんの大宜見にもうひとつ、名護にひとつ、東村の農協さんでもお持ちだとのことだった。
一番の特徴は、皮を入れる、ということであろう。
パインの亀の甲羅のような部分のひとつひとつをショウ果という。
花が咲いた跡だ。
とげのようなものが残っていることがあるが、花の跡である。
加工品はとかく異物混入が問題になるので、どの加工場もその花の茶色になった線状のものが混入することを恐れる。
それを避けるために、皮をむく。
ただ、ここでひとつ考えてみてほしい。
果実の美味しさや栄養価は、実はこの皮と実の際に最も多いのだ。
りんごを皮ごと食べなさい、と言われるのはこのためだ。
なので、やえやまファームの加工場では、確信をもって皮を剥かない。
皮ごと砕いて、ジュースを搾ってから、濾す。
だから、美味しい。
工場長の堀さんがとても加工に詳しく(当然だが)、すごく勉強になった。
「失礼ですが、りょくけんのパインのジュース作っていただけないですか?」
「ロットや瓶の形状によりますよね。」
「180mlのプルタブ形式のものです。」
「北王よいちさんの瓶の形状ね。その打栓はできないんだよなあ。機械を買ってもらえばできるけれど…120万円くらいするからなあ。」