空港から20分くらいのところに、やえやまファームさんの事務所がある。
ひとしきりパインについて情報交換した後、園地に向かった。
島の西部に崎枝(さきえだ)という場所がある。
事務所から車で20分ほどの場所。
石垣島はコンパクトだ。
メインの道もきれいに舗装され、2車線に分かれている。
園地に案内されると、現れたのが山中さんだ。
思いがけず、若い世代で集まることになった。
営業の小川さんも31歳。
今や実質の農場管理責任者 山中さん29歳。
山中さんは、営業を何年もした後、有機農業がやりたくて昨年入社した。
その前は、レタス農家に従事していたという。
その中で、自分がやりたいのは有機農業だ、と思うようになった。
で、探していったら、石垣のパインにあたった。
意を決して石垣島に移住。
話していると、この一年間は相当に勉強したことがうかがい知れる。
「今ちょうど、ここをすきを入れたところです。これから苗を植えます。」
少し山肌を上がった赤土の斜面にパイン畑が広がっていた。
海を目の前にして、南から西に向かった圃場。
石ころがたくさん入り、日当たりも水はけも良い。
「ここの圃場は、今月植えたところです。機械ではなくて、どうしても手でやりたくて、手植えしました。」
「なんでですか?」
「機械だと苗が深く入りすぎるんです。それと株間を32㎝に広げたくて。昨年より2㎝広いだけなんですが、このほうが生育が良いと思って。」
「ここは、奇跡的に果実がなっている畑です。昨年11月に肥料をとめたら、果実をつけ始めたんです。これが本当に再現性があるのなら、収穫周期がもっとコントロールできます。」
パインは、1年7カ月の時間を要す。それを少し縮められるかもしれない。
「ここは見ないでほしいんですが…。」
「芯ぐされの病気が出て、急いで処方もしたんですが、間に合いませんでした。あっという間に広がって、全滅です。」
有機栽培はリスクが高い。
化学合成された農薬であれば、即効性もあり、全滅は免れたかもしれない。
「これだけ植えて、どのくらい青果で出せるんですか?」
「青果2割、加工に4割。」
それは大変…!
青果は選ばれしパインアップルだ。
「それをどれだけ上げるかが、自分の仕事です。」
数字もよく頭に入っているし、実験、試作の類も行っている。
とても共感を持った。
まだ課題はあるのだろうが、一緒に解決できれば、と思う。
台湾のパインは5月いっぱい。
6月下旬になると、このパインアップルをご紹介できると思う。
今の倍くらいのお値段にはなりそうだが…。