桃太郎系のトマト |
トマトの品種には主に二つの系統がある。
ピンク系(桃系とも)と赤系の二つだ。
一般的に日本で言う「トマト」はピンク系で、赤系のトマトは、ミニトマトやミディトマトを差す。
なぜそのように呼ばれるかといえば、文字通り、ミニトマトやミディトマトは赤系で、「トマト」はそれに比べやや淡く、ピンク色に近いからである。
ジューサーにかけてみるとよく分かる。
ミニやミディトマトをジューサーにかけると赤く仕上がる。
だが、市販の桃太郎トマトなどをジューサーにかける真っ赤にはならない。
◎淡い赤だ。
これは、前者が赤い色素である「リコピン」が多く、一般の桃太郎トマトには少ないからである。
近年の研究で、リコピンには強力な抗酸化作用があり、身体を錆びさせない、老化させないなどの効果があることが分かった。
一般的なトマトジュースは、桃太郎系のトマトは一切使われてない。
ミディトマトに近い「加工用品種」を使う。
赤系のトマトなので、当然リコピンは多い。
トマトはつる性の植物だが、重力の感覚を持っており、支柱をたててまっすぐ上部に育てると、下から実をつけていく。
一段一段に手をかけ、高品質化と、長期栽培が可能になる。
ジュースなどに加工する加工用品種はそんなことはしない。
種をまいてそのままである。
トマトは一段一段ではなく、ツルを伸ばして一気に実がなり、一気に色づく。
作りこみなんて出来ないから、味は素っ気がなくなる。
手をかけずに育てるので、価格は非常に安く、10kg100円の世界だ。
それを搾るので缶ジュースであれば一缶100円ということが可能になる。
ミディトマト |
ちなみに、イタリアなど欧米諸国では「ミディトマト」という概念は存在しないように見える。
すべてトマトだった。
むしろ桃太郎のように大きなサイズのトマトは販売していなかった気がする。
一方で、オランダやイギリスには、桃太郎サイズのトマトが売られていた。
暖かい地域では小型のトマトが、寒い地域では大玉のトマトが作られている、ということか。
日本では、ミニトマト(小玉)、ミディトマト(中玉)、トマト(大玉)の3種類に分けられそうだ。
ミニトマト |