りょくけん東京

りょくけんだより
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社長日記

Yes, three times!

※イメージです…。店頭ではバラバラに皿盛りで販売しています。

「Two pineapples, please.」

世界的にも、春休みに入ったのか、銀座店は外国のお客様がいつにも増してまた増えている。
ニュースなどでは、中国のお客様がよく伝えられているが、欧米のお客様も多い。
旅行は、たいてい家族でするから、日本のお客様に比べると、本当に人数が多く見える。
時間帯や天気によって(=雨のとき)は、外国のお客様しかいないときもあったりする。
観光で来ている方は、雨でもなんでも、限られた時間を有効に活用するため、外出するからだ。

二人組の夫婦がにこやかに相談しながら、総菜コーナーのカットパインを指さしながらやってきた。

「two pineapples, please.」

ネイティブの方は、易しい言葉に置き換えて英語をしゃべってくれるのだが、意味合いが広すぎて、時々、瞬時に理解できないことがある…。
量り売りのカットパインを前にして、二つのパインをください、とはどういう意味だろう???

こういう場合、こちらのペースに引き込むため、待たずに質問をすることが大事だ。
150gくらいに入れてあるパックを指さし、これが、だいたい150gくらいだ、何グラムほしいか?というと、頷いてくれたので、そのまま150gを入れた。
米国人なのだろう、むこうは単位がオンスだからグラムがあまり伝わらないのか、と思った。

値段を伝えると、
「No,no, two packs of pineapples, please.」と言われ、ようやく意味が分かった。
2パックほしいということだったのだ。

その後も会話が続き、なんだかとてもパインを褒めてくれる。
「this pineapple is very beautiful.」
「Yeah, and very soft, you can eat it easily」
「yeah,yeah」

なんだかうちのパインをよく知っているようだ。
「did you ever eat this pineapple before?」
(たべたことあるんですか?)
と聞くと、とっても嬉しい言葉が返ってきた。

「Yes,today is three times!」
(今日で三回目!)
満面の笑みで答えてくださった。

りょくけんは、国産の野菜くだものを中心に取り扱っている。
唯一の例外が、この台湾の完熟パインだ。
今年こそ、現地に赴きたい。
そうしたら、この話をまた張さんにお伝えしよう。

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午後には、ブラジルのご家族のグループもいらした。
れんこんを指さしながら「これはなんだ?」と物珍しそうに話している。
「Lotus.」と伝えると、あ~これが蓮(れんこん)か!とすっきりた表情をしている。
おそらく植物としては知っていて、池に浮かぶきれいな花のほうを知っているのだと思う。
有名なモネの睡蓮(すいれん)の絵もある。
ただ、根は見たことないんだろうなあ。もちろん食べたことも。
欧米の方には、よく聞かれる質問の一つだ。

翻って、パイナップルを指さしている。
その会話で、ポルトガル語を話していることが分かった。
思い切って話しかけてみる。
「falam portugues?? sao do Brasil, nao e?」
(ポルトガル語をしゃべってます?ブラジルの方ですか?)

驚きとうれしそうな顔をして、
「E tambem brasileiro?」
(あなたもブラジル人ですか?)
と質問された。

「nao, sou japones, mas morei no Brasil antes de tornar-me 4 anos, e na universidade, estudei portuguse de novo.」
(いえいえ、私は日本人ですが、4歳になる前までブラジルに住んでいました。そして、大学でポルトガル語を専攻していました)
と答えると

あ~ と、合点がいっている。
続けざまに、パインを指して

「como e que se chama esta fruta?」
(このくだものは、(ポルトガル語で)なんと言いますか?)
と聞いみた。

「abacaxi!」アバカシー

と帰ってきた。私が留学していたポルトガルでは、同じポルトガル語でもアナナスananasを使う。

「um dos meus amigos do Brasil disse que abacaxi e ananas e differente. 」
(ブラジル人の友人が、アバカシ―とアナナスには違いがある、と言っていました)
と聞くと、店頭にも関わらず、少し盛り上がってしまった。

スペイン語ではアナナスという、ポルトガルでもアナナスという、でも違いはあって、アバカシ―のほうが小さい、おそらくシルヴェストレ だ ということで落ち着いた。

「esta aqui sempre?」 (あなたいつもここにいるの?)
「sim, quase todos os dias.」 (ええ、ほぼ毎日)
「bem. Xiau~」 (わかった、またね。)
「Xiau~」 (は~い)
と御一行は帰っていた。

さて、シルヴェストレ。
英語で言うSilvester。人の名前だよな…。シルベスター・スタローンのファーストネーム。いや確かなにか形容詞で、意味があったような…。

10数年前の記憶は、あ違った、もう20年前の記憶は、おいそれと戻ってこない。

さくっと閉店後に調べてみると、「silvestre=野生」。
他のヨーロッパの言語ではselvatico セルバチコ、といえば、わかる方もいらっしゃるかもしれない。
英語ではwild に当たる言葉だ。

りょくけんでよく使う、”原生種”にあたる形容詞だ。
パインの原生地は、アフリカとブラジル大陸と言われている。
ブラジル原産のパインのほうが小さくて、原生種だ、というブラジル人。

ますます興味深い。
台湾に行ったら、育種のセンターにも訪れたいと思っている。
このこともまた聞いてみたい。

とにもかくにも、銀座は今、国際色豊かである。