「大森さん、実は、」 と豊川の石野さんから連絡が入った。
「うちの社長(=川崎さん)が『今年の(キャベツ)は美味しくないね』と言っていて。」
その時期は、寒玉の中でもあまくて優秀な「とくみつ」という品種だったから、決して美味しくないわけではなく、むしろ、とても美味しかった。それでも…!
「―来年は、あまだまを作ることにしました!」
という嬉しい連絡だった。
数年前、銀座店のスタッフさんと豊川の川崎さんを訪ねたときのことを思い出す。
「あまだまは、正直、割に合わない。」と川崎さんはおっしゃっていた。
「じゃあ、いくらくらいお支払いすれば合うんですか?」と銀座店のスタッフさんの一人が質問した。
「そうだなあ、1玉600円くらいもらわないといけないかな。」
「…!」
少し黙った後、
「そうできるように頑張ります!」
とそのスタッフさんが答えていたっけ。
私は内心、「いや、それはちょっと…」と黙って聞いていたのですが…。
ハウス内の苗場を前に川崎さんと、その話をメモする銀座店の販売スタッフたち |
でもキャベツ名人で農業理論も卓越していて、地元のTVにもよく取材される川崎さんが翻意してくださったのは、本当に心強い。
来年はとても楽しみだ。
美味しいは、勝つ!
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1月下旬になって、今度は三浦の青木さんに聞いてみた。
私が三浦を訪ねたときに、何度も、「あまだまが、あまだま」が、と言ってたので※、何年か前に作り始めていたのを知っていたからだ。
「植えてますよ~でも、まだ出ません。2月中旬くらいかなあ?」
と言っていたのが、この3月中旬までずれこんで、とてもよい感じで始まった。
◎あまい。
◎やわらかい。
◎美味しい。
「今年は、いつもの形状とちょっと違うけど、よい感じでできました~」と青木さん。
売り場でも、通販でも大好評。
やっぱり旬が短く、ここにきてトウ立ちの予兆が見える。
この味を、ぜひ今のうちに召し上がってほしい。
※ちなみに…。夏も「あまだま」をお届けしたくて、北海道の和寒町 西川さんにも、同じように「あまだまが、あまだまが」と言って、作っていただいたんですが、生長せず、甘みも出ず、本来の品質にはなりませんでした。いくら涼しいとはいえ、やはり冬が旬なんでしょうね。