森野さん(畑にて) |
「はあ?」
聞けば、いまだ樹になっているという。
「じゃあ、さすがにハウスは作ってないですね?」
森野さんは隣の島の高根島(こうねじま)にハウスを持っているので期待して聞いてみた。
レモンは、みかんと同時期の作物で、冬の作物だ。
ところが、需要期は、ずれる。
多くの作物がおおよそ旬と呼ばれる時期に食べたくなる、あるいは必要な要素を持っている。
たとえばアスパラガスは春の芽吹きの野菜で、体を起こすアスパラギン酸というアミノ酸を含む。
夏は、カリウム豊富なスイカなどを食べて、熱くなった体を冷やす。
ところが、レモンはその感覚とずれるようだ。
冬の作物だが、さわやかな香りと酸味は、暑い暑い夏に食べたくなる。
はちみつ漬けレモンや、塩レモンなどの流行もあり、夏レモンの需要は高まっている。
輸入物なら自然に手に入るが、イマザリルやチアベンダゾール(TBZとも)など発がん性が指摘される防腐剤を使っているので、皮ごと使うのは、やはり怖い。
それを解決する一つの手段が、ハウス栽培だ。
加温すれば、酷暑の夏でもレモン栽培が可能だ。
加温しない場合でも、9月ごろからグリーンレモンが収穫できる。
「自分は片づけと来季の準備に入るので、ハウスレモンはやらんですわ。」
「そうですか…」
落胆する自分に
「でも、作っているともだちは何人かいますから、紹介しますよ。それこそハウス内に鶏を放して除草しながら、無農薬でつくっているのもいますから。」
「ぜひ!」
これだ。
りょくけんの強みはこのネットワーク。
一年通じてのレモン販売にまた一歩近づいた。
<りょくけんのレモンスケジュール(2017年3月17日現在)>
9月~12月 熊本 ハウスレモン
1月~4月 広島/静岡 レモン
5月~7月 開拓する!
8月 熊本 ハウスレモン(遅れ花)