台湾で育てているパインが始まった。
私が以前勤めていた会社のお店「SKIP」※では
「年間を通じてイチオシの商品は何だと思いますか?
―それは、パインなんです。」
と紹介していたっけ。
当時は、糸井重里さんの事務所にMDをお願いしていたので、
糸井さんのコピーだったのだろうか?
さてさて。
りょくけん唯一の海外産である「パイン」。
原生地は、二つあると考えられていて、書物によって、南米原産とアフリカ原産、あるいは両方と言われる。
これは実に興味深いが、それについてはまた今度。
今回は、美味しいパインの見極め方。
主に三つある。
一、葉が小さい。
パインの葉は、小さいほうが良い。
理由は簡単。葉に栄養が行き過ぎているから。
栄養分を作る光合成に葉は不可欠だが、光合成をして実に栄養を送っていた葉は、実は下にあった方。
収穫の時に当然、切り取られるので、消費者の方が目にすることはまずないが。
ちなみに、頭についている葉を水に差しておけば根が生え、土に植えれば、育つ。
1年7か月かかるが、うまくいけば、パインがまたできる。
二、葉が赤い。
葉が青々としたパインをよく見かけるが、紅葉している方が美味しい。
紅葉は、肥料分が欠如しているためで、葉ではなく、パインの実に栄養が行って甘みを蓄えている証拠になる。
三、ガクの跡が小さい。
パインの果皮の六角形。
あれは、パインの花が咲いた痕である。
このひとつひとつが小さいほうがぎゅっとつまった濃縮感がある。
葉がピンと立ったもののほうが鮮度がよさそうで、いかにも美味しそうだが、かえって酸味が強い可能性が高い。
パインは収穫するまでに1年7か月かかるから、重量を稼ぐため、大きくしようと多肥になりがち。
これがまずいパインを助長する。
よく言われるのが色だが、これは正直難しい。
りょくけんパインは緑からオレンジ色に変わっていくが、
全体が緑でも、美味しかったりする。
いかにも美味しそうなオレンジ色のものは、熟しすぎていている場合もあるので、難しい。
中身が茶色になったり、透明に透き通っているものがある。
透明に透き通った状態のものは、りんごの蜜と同じ症状で、糖分が目に見える状態になっているだけで、
品質に特段、影響はない。
◎透明でも透明でなくても、美味しい。
茶色のものは、その透明な状態が進むと褐変する。
初期段階ではあまり変わらないが、さらに進むと、ブラウンシュガーのような風味が出てくる。
これも、難しくて、食味に全く影響がないときもある。
茶色に変色したかしていないかは、お尻の芯の部分を見るとおおよそ見当がつく。
透き通って、茶色っぽくなっていたら、中身が褐変している可能性が高い。
今日からいよいよ店頭でも販売開始。
ぜひ、今年の出来栄えを確かめてほしい。
5月上旬までお楽しみいただける予定だ。
■完熟パイン 台湾産 1玉 648円~864円(大きさによる)
■カットパイン 100gあたり 324円
※SKIP …ユニクロを運営する(株)ファーストリテイリングの子会社「FRフーズ」が立ち上げた永田野菜専門店。(株)りょくけんはほぼ100%野菜くだものを提供していた。通販の会員は2万人、店舗は6店舗あった。2003年に解散。ちなみに社長は、現GU社長の柚木さん。