サラノバレタス クリスピータイプ(緑) |
サラノバレタスというレタスがある。
根元の一ヶ所だけカットするとバラバラになり、ベビーリーフ大の葉がとれる。
Salad Innovation(=サラダ革命)を略して、”Salanova”と名づけられている。
生まれ故郷は、園芸大国 オランダだ。
品種改良の先進国で、日本の種苗メーカーと世界のトップを競っている。
両国とも、広い国土を、ひいては栽培可能面積が小さいがゆえに、新品種育成に力が注がれた。
一口に”サラノバ”と言っても、実は、その品種は50種以上あり、色、形、味、あるいは耐暑性、耐寒性など様々な気候風土で栽培可能なようにラインナップされている。
ヨーロッパはもちろんのこと、アメリカ、最近では、アジアにも浸透してきている。
先日、開発元のRijk Zwaan社(ライクズワーン)の方が、母国よりカメラマンを連れて銀座店に取材に来てくださった。
左から Bouman氏、Meijer氏、銀座店スタッフ |
ライクズワーン社 日本担当のHans Bouman(ハンス ブーマン)氏、カメラマンのTjipke Meijer(ティプケ メイヤー)氏。
自分が165cmしかないこともあるのだが、お二人とも、190cm超の、文字通りのオランダ人。
大学のときに1年間、1週間に1回だけだがオランダ語を履修していたこと、オランダ人の友人がいることなどを話すと、場が和んだ。
「その友人はオランダのどこに住んでいるのだ?」
「Spijkenisse(スパイクニッセ)」と答えると、
「そこの駅から4kmのところに私は住んでいるよ。何たる偶然だ!」とブーマン氏。
ブーマン氏によると、ライクズワーンでは、生産から販売まで一貫性を持って実行したいらしく、日本のように、生産と販売サイドが完全に分かれている市場では、難しいと考えていたそうだ。
5年ほど前になるのだが、中国南西部で、東南アジア諸国の青果の一大拠点を担おうと稼働し始めた施設を視察中の、私の師匠の永田に、ブーマン氏がたまたま出会い、日本でも「りょくけん」という生産と販売を一体化している会社があることを知ったのだとか。
それから、すでに試作・販売を始めていた奈良・御杖村の山浦さんグループに出会い、長野・川上村の由井さん親子に出会った。
おかげさまで、銀座店ではすっかり定着し、レタスよりも好評を得ている。お客様にも、働いているスタッフにも人気だ。
つい先日、自分が販売応援に入った時も、いつの間にか入荷分が売り切れていた。一人で3~4個買う方もいらっしゃった。
ブーマン氏たちの訪問目的は、日本でもサラノバレタスが定着しつつある状態をカメラに収め、ライクズワーン社のホームページやパンフレット、機関紙に載せることだった。
「見せ方がとても工夫されていて綺麗だし、什器も高質で素敵だ。」と誉めいただいた。
「本当なら、赤いサラノバレタスも並べたほうが売り場も綺麗なのだけれど、お客様から『赤と緑ではどちらが甘いか?』と聞かれることが多く、『緑』と答えると、どうしても赤の方が売れず、緑だけを並べている。」と言うと、
「(赤の色素である)アントシアニンがどうしても苦味はあるけれど、オークリーフタイプの方が
苦味は少ない。」と教えてくださった。
取材中 |
サラダのブースと、青果のブースなどの写真を撮り終え、とてもにこやかに「ではこれで。」とお二人が言うので、記憶に残る数少ないオランダ語を振り絞り
「Dank U vel!(ダンク ユー ヴェル=サンキューベリーマッチ)」と言うと
「No,No,Ik dank U.(いやいや、感謝をするのは私のほうだよ」と返してくれた。
JR有楽町駅に向かうというので、日本の代理店の営業マンである柚木氏と二人を、松屋銀座店の門まで送った。外は雨が降っていた。
「Tot ziens!(トート ズィーンス)」と大きな手を私のほうに広げて。
あ、”また会う日まで”、だ、ととっさに意味を思い出し、あわてて
「Tot ziens!」と返した。
こうして、一行はオランダ人らしく、傘もささずに、有楽町駅に向かった。
数十分の取材。おそらくは載るか載らないかくらいの小さな記事だとは思う(色々段取りしてくださった方、対応してくださった方に申し訳ないのだが)。
オランダや全世界の方に、どんな風に紹介されるのか、楽しみだ。
■サラノバレタス 1P 315円、2P 609円
銀座店、渋谷店でも好評販売中。各種サラダにはほぼもれなく入っています。