いよいよ梨の旬がやってきた。
「?」 を浮かべる方も多いかもしれない。
日本は南北にも長い国だから、「旬」は各地域で異なる。暖地である九州から始まり、「梨前線」は北上していく。おおよそだが、青森までは和梨の産地がある。温暖化で、北海道でも作られるようになっているが、どちらかというと西洋梨の栽培の方が盛んだ。
だが、こと、梨については、その旬が崩れる世界だ。
関東に近い産地は、その最需要期が、お盆になる。お供え物として、多く求められるからだ。その時期に出荷すると、最も高値が付く。そのため、ホルモン剤などを使用して、生長を早めたり、やや未熟の青いまま、収穫する。こうして、旬が崩れる。
��月の初めに出る梨が、高い割に、美味しくないのには、そんな理由がある。
りょくけんでは、お盆をすぎる頃に、愛知の小島の梨を扱っている。渥美半島の付け根に位置し、赤土土壌で、水はけも良い。梨に限らず、多くのくだものは、降雨による品質のブレが大きい。水はけが良いと、その雨による味のブレが少なく出来る。温暖な気候のため、ホルモン剤を使う必要もない。
小島の梨が終わると、次が長野だ。標高が400mと高く、朝晩の気温が低いため、糖度が上がりやすい。
毎年、8月中旬をすぎた頃に 「そろそろ始まりますか?」と催促してしまうのだが、決まって、始まらない。
「まだ青いで。未熟なまずいものを送ってもしょうがないやろ?」 と回答が来る。
そんなやりとりを二週間ほど続く。
「取れたで、送るに。」
ようやく、中平さんの満足するものが収穫できたようで、楽しみだ。
甘さが特徴の、赤梨は、幸水→豊水→南水→秋月 とリレーし、10月中旬まで販売予定だ。
酸味が特徴の、青梨は、二十世紀梨を9月10日頃から扱う予定。
どうぞお楽しみに。
■幸水梨 長野県産 1玉263円