「”日本ほうれん草”というほうれん草が美味しいんですよね。」
そう教えてくださったのは、「ほぼ日刊イトイ新聞」の方だった。「だれでもつくれる永田野菜DVD」の収録の関係で、当時はよく浜松にいらしており、その際に、会長の畑で食べたのだと言う。
”日本”という名称を冠したほうれん草。
つくっているのは、他でもない、(株)りょくけん会長の永田 照喜治である。
ほうれん草の原生地は、中央アジアといわれている。「菠薐草」とも書き、”菠薐”はペルシア(イランの旧国名)を指す。ところが、流入経路が二つあり、ひとつが中国で、もうひとつは欧米からだった。前者を東洋系と言い、後者を西洋系と呼ぶ。東洋系ほうれん草の方が、アクが少ないが、トウ立ちが早く栽培しにくい。西洋系ほうれん草の方が、アクは強いものの、トウ立ちが遅く、栽培しやすい。
日本ほうれん草は、東洋系だ。
栽培が難しい、というか、気難しい品種で、適温の幅が限られ、発芽しにくい上に、生長スピードも遅く、揃いも悪い。ほうれん草の経済栽培を行っている農家では、決してメインの品種にはできないだろう。正品率が悪い他、計画通りに出荷が進まないからだ。
しかしながら、会長は、好んで、このほうれん草を育てている。言うまでも無く、美味しいからだ。
寒さのために今年はなかなか大きくならないが、サイズが小さいのは、味がぎゅっと詰まった証でもある。いよいよ来週から出荷開始の予定。本日出荷した「お福分け」※にも少量入れさせていただいた。明日には、このお味を楽しんでいる方もいらっしゃるだろう。
旬が短く、3月の頭くらいまでしか続かない。ぜひ、店頭で目にしたら、この日本ほうれん草の味をお試しいただければと思う。生でも、加熱しても、とても美味しいほうれん草だ。
■日本ほうれん草 静岡県産 1袋 263円(税込) ~3月頭くらいまで