りょくけん東京

りょくけんだより
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「私の家族がつくったトマトジュースです。」

P8102139.jpg 「え?この格好で撮るの?」

P8102140.jpg 「まいったなあ~」と笑う中野さん。

銀座店の店長と池袋店の料理長と一緒に、北海道 余市の中野さんを訪ねた。

「お待ちしてましたぁー。主人はあっちのハウスにいると思いますー」と奥さんが迎えてくれる。

中野さんには、りょくけんの顔とも言えるトマトジュースと、ミディトマト、いちごトマト、オレンジミディトマト、ピーマンを作っていただいている。いずれも糖度が高く、非常に味が良く、美味しい。

「今年は暑い上に、湿度が高くて、風が吹かなくてねー。去年の味を知っているお客さんには、申し訳ないんですよ。」

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↑ジュース用トマト。一般的には、運送を考えて、ここまで赤くしない。

りょくけんでは、水分コントロールで、根を強くし、生命力あふれるトマトにしていくわけだが、湿度が高くなると、せっかく水やりを減らしても、植物が吸収してしまい、意図したようにならない。風があると、湿気が吹き飛ばされ、ハウス内の気温上昇も抑えることが出来るのだが、今年は、北海道であっても、それがままならない。

中野さんは、以前はくだもの農家で、さくらんぼをメインに作っていた。余市湾を臨み、ぐぐっと隆起した小高い丘の、西向きの斜面に、古い地層=赤土をたたえた土地柄。この土壌条件と中野さんの人柄にすっかりほれ込んだ弊社会長 永田照喜治が、「さくらんぼはやめて、トマトつくりなさい。」と言ったのが、始まりなのだそう。

「あんまり今年はよくないんだけれど…」と収穫の最盛期でお忙しいにもかかわらず、ハウスを順々に見せてくださった。

まずはミディトマト。他のトマトの陰にあって、あまり知られていないが(←私どものアピール不足に他ならないのだが)、ミディトマトはうまい。 パリッとした固めの皮の中に甘みだけでなく、旨みをふんだんに閉じ込めている。9月末に向かって、この味はさらに良くなっていく。

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↑たわわに実ったトマトベリー。すべて同じ赤に見えるのだが…。

そしていちごトマト。いちごのような形をしているかわいい形のミニトマトで、他のトマトと違い、皮と果肉の一体感があって、食べやすい。お店でも一番人気のミニトマトだ。

「去年に比べるとね、物足りないんだけどね。こんな天気でも、生産者としては、努力して、なんとかいつもの味に近づけようとしているのだけれどね。」

―正直、全体的に、今年のトマトの出来はよくない。その中でも、当社のトマトは優位性を保っているが、特に中野さんのトマトは抜きん出ている。

「これこれ、この色。こっちの色でとると、味がいまいちだから、この色になるまでとらないようにしてるんですよ。」

私どもが見ても、その別はあまりつかないのだが、そこが、やはり、名人たる由縁だ。

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↑オレンジミディ。フルーティーで美味しい。

続いてオレンジミディトマトのハウスに入る。やや日が沈んできて、西日を浴びたオレンジのトマトが、さらに黄金色に輝いて美しい。食べると、これまた旨みが強く、フルーティで美味しい。中玉なので食べ応えもあり、主役をはれるミディだ。

「これは、今年初めて作るってるんでね。まだ、木の特性をつかみきれていないんだけども、味は良いよね。色もきれいだから、サラダに良いよね。」

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左から銀座店店長、中野さん長男、中野さん、池袋店料理長。

「そうだ、中野さん!お願いが!」

「???」

「水を、例のお水を飲ませて欲しいんです!」

「ああ、もちろん良いですよ。」

北海道とは言え、気温も高く、のどもからからだった。

「さあ、どうぞ。」と大きな冷蔵庫から、奥さんが水を出してくれた。よく冷えた中野さんの水は、とても美味しい。硬度はさほど高くなく、透明感のあるクセの無いお味だ。

「地下120mから組み上げている水で、赤土だからか、鉄分が少し多いかもしれません。」

農業において、水はとても大事だ。特にピーマンは水を好み、かなり吸収するので、水が、味を左右する。お店では、沖縄の肉厚のピーマンが終わった後、中野さんのピーマンに切り替えた。当初、お客様も販売スタッフも戸惑ったが、今ではすっかり定着し、常連のお客様にも受け入れられている。みずみずしく、甘みがあり、苦味が少ない。聞けば、個人的に、中野さん本人がピーマン好きだから作っているのだという。

「ピーマンは自分も好きでね。だから作っているところもあるんだけれど。りょくけんの生産部長が言うには、種の周りが甘くて美味しいって言うんだよね。」

いつもは食べない種の部分を食べてみる。なるほど、確かに、やわらかく、種まで美味しく食べられる。

「これも飲んでみて。」と中野さんが、立て続けにご自分のトマトジュースをご馳走してくれた。まずは、先だって出来たばかりの初もの。とろっとした飲み口で、甘く美味しい。

「次はこれを。」と昨年のものも振舞っていただいた。フルーティーさが増し、まろやかさが加わって、うまさが熟成した感じ。―そう、数値的な根拠は無いのだが、トマトジュースは年を経たもののほうが美味しい。

残念ながら、法律的に、2年以上経過したものは「賞味期限」として認められないので、販売できないのだが…。

そうこうしているうちに、西日に赤みが差して、屋内にいても夕日を感じる時間帯になった。外に出てみると、見事な夕焼けに出会った。

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「実は息子さんに、『我が家の夕焼けをぜひ見てきてください』って言われていたんですよ~」と銀座店店長。実は、中野さんの次男は今、会長の畑で研修中で、その一環として、銀座店の店頭に立ち、販売もしている。

「私の家族がつくったトマトジュースです!」

それが、第一声だったとか。

とても大きな声で、フロア中に響き渡るくらいだった、と聞いている。

中野さんの野菜は美味しい。その美味しさの中には、「農家さん本人やご家族」というエキスが、これでもか!と含まれている気がしてならない。

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販売はこちら
■特選トマトジュース 生産者限定 1L 2520円(税込)

■特選トマトジュース 生産者限定 180mL 598円(税込)

■ミディトマト 1袋 399円(税込)※

■名人のいちごトマト 1袋 630円(税込)※

■名人のオレンジミディ 1袋 399円(税込)※

■ピーマン 1袋 263円(税込)

※店舗によっては量り売りの場合もございます。