りょくけんベジデリカに使う野菜くだものは、全てりょくけんもの。
デリカのみで使う野菜もあるが、販売する野菜くだものと同じラインナップだ。
今回お話したいのは、素材ではなく、それらを彩る調味料のこと。
日本では「さしすせそ」の五文字で基本の調味料が集約される。
今回はそれに倣って紹介していきたい。
・さ―砂糖
りょくけん銀座店で扱う砂糖は2種類。
ひとつは黒砂糖で、もうひとつは「砂糖」と書いてあるが、精製の粗い「ブラウンシュガー」。
■ブラウンシュガー
ブラウンシュガーの産地は、有機農業大国であるキューバのもの。
キューバは恵まれた気候の故、病害虫の発生が少なく、もともと農薬をほとんど使わない。
農民も貧しいため、高価な外国産の農薬を買うことが出来ないとも聞いたことがある。
島国であるキューバでは、潮風の影響を受けて、滋味深いさとうきびが育つ。
完全に白く精製した砂糖ではなく、茶色がかった粗製糖、いわゆるブラウンシュガーなので、
キツイ甘さではなく、優しい味で、りょくけんの味の強い野菜を決して損なわない名脇役になっているのだ。
■黒砂糖
鹿児島・阿久根育ち。
実は上司が別のお取引先に挨拶に伺った際、お茶うけとしてだされた黒砂糖を食べ、
感銘を受けて、ご紹介いただいた生産者さんだ。上司は感動が強かったのか、ご紹介いただいたその足で、
その生産者さんのところにお伺いしてお取引を決めたらしい。
事実、この黒砂糖はすばらしい。まず、肥料が極端に少ない。
最初に骨の粉などの、肥料と言うよりは土壌改良剤(土質を酸性からアルカリ性に変えたりするもの)を与えて、
その後は一切施肥をしない。灌水もごくわずか。他の産地では、さとうきびの収穫量だけを求めがちで、
肥料を多くして、図体ばかり大きなさとうきびを育ててしまう。
そうすると糖度が非常に低く、さとうきびなのに12度程度しかない、力の無いさとうきびになってしまう。
そうすると、砂糖を精製するときに、固まらないので、「糖蜜」を加えて、糖度を上げていることが多い。
松木さんのさとうきびは、節と節の間が狭く、背丈も大きく無いが、糖度がとても高い。
3年前がもっとも不出来で16度。一昨年、昨年ともに20度前後の糖度を維持した。
海にほど近いため、栽培期間中に、潮風を受け、その受け具合で、砂糖の味も千差万別になる。
デリカには着色の問題もあり、あまり使わないが、
煮物系のデリカが登場した場合には使うことが多くなるので、ぜひお試しいただきたい。
単品での販売も、黒砂糖は行っているので、召し上がってみて欲しい。
■黒砂糖 鹿児島県阿久根市産 松木功さん 400g入り 945円(税込)