浜松市南部に、葉物栽培用のハウスが立ち並ぶ地域がある。りょくけん銀座店用に、ベビーリーフの栽培をお願いしている石塚さんもその一角に居を構える。りょくけんのベビーリーフはベビーリーフと言っても、一般的なそれとは一線を画す。
1.葉だけを刈り取ったものではなく、株ごと入れている
2.10cm~15cmと大きくすることで、それぞれの野菜の味が出るようにしている
3.水耕栽培ではなく、土耕栽培である
といった3つの違いを挙げることができるだろう。葉だけを刈り取ると、日持ちが悪くなる。株ごと入れると、日持ちも良くなるし、たとえ少々しおれたとしても、水に少し漬けることで、パリッとすぐ元気になる。また、土にはいろいろな成分が含まれており、食味に大きく影響する。
今年で栽培をお願いして3年目。1年目は、種類ごとによって違う生長スピードをうまく調整できずに欠品することもあったが、昨年からそれはすっかり改善された。種と種の株間を空けたり、縮めたりして、5種類の異なる葉野菜の生長をそろえる。葉物農家の腕の見せ所だ。
よく聴かれるので、中身を解説しておく。
①ルーコラ …ゴマの香りと味があるイタリアを代表する葉野菜。
②ロメインレタス …コスレタスとも言う丸くならないタイプのレタス(非結球レタス)。シーザーサラダには欠かせないレタスで、歯ごたえがあり、さくさくする。
③レッドロメイン …ロメインレタスの赤いバージョン。緑に比べると、少し苦味があり、アクセントになる。
④赤軸ほうれん草 …軸の部分が赤いほうれん草。旨みがある。成長スピードが最も遅く、そろえるのが難しい。
⑤サニーレタス …赤みを帯びたレタス。ほろ苦さと甘みを持つ。
以上の5種。時々、生長がそろわず、石塚さんが他に作っている小松菜やほうれん草、わさび菜、水菜の幼葉が入ることがあるので、それはそれでお楽しみいただきたい。5月いっぱい出荷の予定だ。
豪快に見えて、繊細に作物を管理する石塚さんと、梱包担当の奥さん。いわば、ベビーリーフは、しかと、支え合うお二人の作品だ。
■ベビーリーフ 静岡県浜松市 石塚勝一さん 294円(税込)
サラダにはふんだんに使われているので、どうぞご利用ください。