「大森さん、〇〇の番組制作会社さんから問い合わせです。」
代表の電話番号宛てに一本の電話が入った。
番組名は一瞬、分からなかったけれど、
「あ、バ〇〇さんの日〇さんが黄色の車に乗って、地方を回るやつ!」と分かった。
「6月21日に取材して、7月21日に放映なんですが、それまでありますでしょうか?」
問い合わせがあった作物は、”きみひめ”。
ーとうもろこしだ。
とうもろこしは、年々早め早めに育てるようになっていて、どの産地も栽培の終了期間を早めている。
7月21日であれば、旬真っ盛りと思われるが、暑すぎて、品質が悪くなるし、
実際そこまで引っ張ったこともあるけれど、虫がついてしまい、えらい目に遭う。
「すみません、7月10日くらいで終わっちゃいます。」
「ああ、そうですか…。どこか他のとうもろこしの産地をご存じないでしょうか。」
「北海道で大規模にやられている産地でしたら、ハウス栽培から初めて、7月のそのころまで持っているところもあると思いますよ。」
まだ寒い時期に、土をビニールで覆って、霜が降りないようにし、まだ涼しい時期に収穫を始める。
昨今のとうもろこし栽培は、十数年前よりも二週間くらい早めているように思う。
土地がある北海道であれば、6月下旬のハウスものから始めて、9月いっぱいまで収穫するところもあると思う。
きみひめは、毎年、メディアに大人気で、必ずどこかの局で取り上げてくださる。
テレビ局は、消費行動にもかなり影響があるので、なんとかしたかったのだけれど、今回はお断りした。
残念。