何年かに一回だという寒波がやってきている。
冬の晴天率が全国で一、二である浜松でもさすがに曇り空。
夕方になって、わずかに晴れ間が見える程度だった。
空っ風は相変わらずで、乾いた遠州の風は、ずっと外にいると、寒さを感じさせた。
私にとっては赤土の聖地ともいえる、三方原台地。
大河ドラマでも放映されている徳川家康が、当時、最強と言われた武田信玄の騎馬隊に敗退した”三方ヶ原の戦い”で知られる古戦場でもある。
作るのは、磯貝さん。
切干大根の生産者さんで、今期から、原料である大根の供給もお願いすることにした。
立派な屋根がついた作業場で、両ウィングの4tトラック。
その後ろに、細身で、上下黒の、タイトな作業服を着こなし、耳には黒のピアスの磯貝さんが颯爽と立っていた。
「お。本当に農家さん? 昔はヤンチャだったかな?」という風貌。
ところがどっこい。
良い意味で、その予想は裏切られた。
出荷を待つ大根に目をやると、とてもきれいで、まず驚いた。
少しだけ作業場でお話した後、いくつかある畑のうち、マルチの敷いていない畑に行くことになった。
作型によって、マルチ(=ビニール)を敷いて保温する畑と、そうでない畑があるようだ。