東日本大震災。
新型コロナ感染症。
ウクライナの戦争。
矢継ぎ早に訪れた事象は、直接的あるいは間接的に様々な出来事を起こしてきた。
生活スタイル、仕事のスタイルにも変化があり、顔と顔を突き合わせて商売してきた実店舗は集客に悩み、お互いの顔の見えない通信販売はどこにいるのかも分からないお客様の来店を待ち続ける。
そんな環境にやっと慣れてきたと思ったら、予想だにしない戦争。
そして原料高によるインフレーション。
ひとつひとつ、迅速かつ丁寧に対応していかないと、会社は沈むだろう。
私も経営者の端くれ。
ぶなしめじの施設を出て、別棟にあった片山さんの事務所で、微糖のコーヒーをご馳走になりながら、そんな話をした。
「南魚沼でなんできのこ栽培が広がったんですか?」と失礼な質問をした。
「はじまりはね、冬の出稼ぎ対策です。」
少し遠い目をしながら、片山さんが仰った。
「冬に、外に出て働くのではなく、地元で働けるように、ということですか?」
「そう。設備さえ整えれば、周年、一年中栽培できるから。」
「冬は暖房代がかかるから、じゃあ、ほんとに大変なんですね、、、」
「はい、、、」
「そういえば、あのでっこいしめじは、どうやって育てるんですか?たしか品種ではなくて、栽培方法でああいう風にできるって伺ってましたが!?」
「あ、あのフタですよ。」
「あのフタ?」