新潟県の南魚沼までは、一度、高崎に戻るような進路を取り、再度、北上する。
ただ、やっぱり少し下道は込み合っていて、なかなか進まない。
それでも高速道路に乗ると、周囲の景色もきれいで、見とれた。
「谷川がすごくきれいなはずですよ。」
地理に疎い私は、なんとなく聞いたことはあったし、行きの新幹線の名前が”たにかわ”だったけれど、きれいな川があるのかなあくらいに受け取っていた。
赤や黄色の文字通りの紅葉・黄葉がとてもきれいな山々を眺めながら新潟県境を目指してた時、道路標示を見て、それが、川ではなく、山々のことであることを知った。
”谷川連山”あるいは”谷川岳”と呼ばれる要衝で、紅葉の名勝だったのだ。
長い長いトンネルを抜けると、新潟県に入り、ほどなくして、塩沢石打インターに辿り着き、高速を降りた。
(後日、たまたま息子たちが見ていたクイズ番組で、谷川連山のトンネルは少し前まで日本一長く、その切削作業は困難を極め、その理由の一つが大量の地下水、湧き水で、それを
JRがパッケージしたのが、昔の”大清水”、現在のフロムアクアという天然水であることを知った。)
なんだか寒い。
午前中が暖かったのだけれど、雨もちらほら降っており、気温が低い。
県境を越えると、車の中からでもわかるほど、気温が変わるのかと驚いた。
高速道路降りてから走る道路が国道17号線で、中山道だった。
都内でいつも走っている中山道がここまで伸びているのかと思うと感慨深い。
住宅の形や密集具合も群馬のそれとはだいぶ違う。
雪が深いのだろう、屋根の角度があるし、1軒1軒の間が広い。
距離的には近くとも、文化や気候が違う気がした。
ほどなくして、片山さんのきのこ施設に辿り着いた。
一つのメインとなる棟がだいぶ大きい。
周辺にも、それに連なる施設がいくつかあった。
駐車場があり、空いている場所があったので、駐車させていただき、事務棟を探し、片山さんを探した。
一回りしたが、ちょっとわからない。
あきらめて携帯電話を鳴らしたが、つながらない。
いったん駐車スペースに戻ると、困っている女性がいる。
私の車が近すぎたようで、ドアを開けられないという。
携帯電話が震えた。
片山さんからの折り返しだろう。
そうは思ったけれど、、先に車を動かすことにした。
さほど寄っているわけではないが、確かにドアは開けづらい距離だった。
車の移動をしていると、大きな施設の前に、携帯を片手にした男性がいらっしゃった。