柑橘業界の今の趨勢は、食べやすいみかんと風味の良いオレンジの掛け合わせ。
tangerineとorangeの掛け合わせなので、tangor=タンゴールと正式には呼ぶ。
タンゴールには優れた品質のものが多く、古くは清見、デコポンこと不知火を皮切りに大人気品種が次々と生まれた。
トップバッターは12月中旬に出る、愛媛果試第28号。
通称、紅まどんな。
皮がやわらかく、手で皮が剥けて、種がない。
そして高糖度。
ただ、この系統のオレンジみかんでは早生なためか、美味しければ美味しいほど、傷みやすい。
年が明けると、甘平(かんぺい)。
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3~4品種のオレンジとみかんの掛け合わせで、平らな形状。
手で皮が剥けて、種がない。
じょうのうも薄い。
2月に入ると、ハウスせとか。
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4品種のオレンジとみかん、あるいはタンゴールの掛け合わせ。
清見が、オレンジとみかんの掛け合わせで、第二世代だとすると、最近はその次の第三世代だ。
タンゴールとタンゴールの掛け合わせである。
手で皮が剥けて、種がなく、じょうのうも薄くてこれまた食べやすい。
甘平とハウスせとかは、今同時に出ていて、価格帯も似ているので、よく比較される。
「どっちが甘いの?」
答えは両方。
どちらも糖度15度前後を有する。
一番の違いは食感だろう。
甘平は、砂じょう=粒々が荒いというか、食感が粒々していて美味しい。
たいして、せとかは、ゼリーのような食感で、とろけるようで、美味しい。
紅まどんながお好きであれば、せとかがおすすめだ。
そして不知火。
いわゆるデコポンが始まったのだが、じつは、せとかも不知火も甘平も、酸味が極めて強い品種。
収穫後、貯蔵して、酸味が落ち着くのを待つ。
甘平とハウスせとかは、酸味も落ち着き、食べごろ。
不知火は、少しまだ酸味が強い。
今年は、どの柑橘も美味しいので、不知火も大いに期待していたのだけれど、もう少し後のほうがよさそう。
酸味が強い、ということは逆に、日持ちも良いので、このあと、長く楽しめる、ということだ。
この三強に、金柑だったり、黄金柑系の媛小春や、来週からはブラッドオレンジ、タンカン、国産グレープフルーツなども始まる。
3月はますます柑橘類が楽しみである。