りょくけん東京

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コラム 野菜情報

“育ち”

野菜ソムリエのコースに通っていた際、品質の4つのパラメータということを学んだ。
氏、育ち、ころ、たて、という。

氏は、簡単に言えば、品種のこと。
育ちは、誰がどこでいつどのように作ったか。
ころは、タイミングのことで、消費者にとっての食べ”ごろ”、農家にとっては取り”ごろ”、はたまた商売人にとっては売り”ごろ”となる。この三つは、その人の立場によって、”品質”が変わることも示唆する。
たては、鮮度のこと、と言ってよい。とれたての”たて”だ。

りょくけんスタッフには常々言っているが、この4つのパラメータの中で、りょくけんが最も重視するのが”育ち”である。

誰が、どこで、いつ、どのように作ったのか。

これが最も品質を左右する、と考えてきた。

前回まで、とうもろこしの品種について、個人的な考えを披露したが、同じように”育ち”が非常に大事。

4月や5月に早出しされるとうもろこしは、あまり美味しくない。
あまり市場にとうもろこしがなく、高騰するから、とにかく作ればよいからだ。

6月は、関東周辺の平地のものは美味しい。
まだ少し寒いときに発芽させ、小さなハウス=トンネルをかけて大事に育てる。
寒暖の差が大きく、糖度が上がりやすい。
また、虫たちもあまり活発でないので、農薬も少なくできる。

7月に入ると一変する。
ちょっと雨が多くなったり、蒸しこむ日が続くと、虫たちがいよいよ活発になり、病気も出る。
こうなると、関東周辺の平地のとうもろこしは、一気に味が落ちてしまう。
また、不良も多くなってしまう。

そこで品質を上げてくるのが、高原だ。
長く続ける人は、高原でもハウス栽培をするが、露地ものでも、品質は平地のものを凌駕していく。
長野や山梨の標高の高い産地のものが絶対美味しい。

もしくは緯度。

日本は南北に長いから、北海道や青森などの冷涼な地域で育ったものが本領を発揮する。
それが7~8月だ。

りょくけんでは、7月早々に、高原ものに切り替え、青森の嶽高原のとうもろこしにリレーしていく。

このリレーのおかげで、常に美味しいとうもろこしが提供できるのだ。