初代 雪の下人参ジュースのデザイン |
人参ジュースの製造は難しい。
そういうと、世の中にはいくらでも人参ジュースが販売されているではないか、とお叱りを受けそうである。
国で、ジュースの製造基準、衛生基準というものが決められており、
殺菌技術が発達した今日でも、pH(ペーハー)が定められている。
ある程度、酸性がないと、瓶や缶の中でも菌が増殖するので、pHは低くなくてはいけない。
みかんジュース等のくだもののジュースは、酸味を持ち、pHが低いので、加熱殺菌を行えばジュースにして瓶や缶に詰めることできる。
ところが、人参は、ほとんど酸味がないので、一般的な工程だけでは、ジュースにすることができない。pHが高いのだ。
これを解決する方法が二つ用意されており、
一つは、pHを調整する方法。
レモン果汁やクエン酸、メーカーによっては梅から抽出したものを加えている。
実は、これだと、食味がとげとげしくなり、本来の食味を味わえない。
二つ目は、加熱殺菌の温度を上げ、100度以上にして殺菌する方法。カロテンは加熱に強いので、消失することもない。
この設備が、通常のジュース加工場では、保有していない。
我々のような規模で製造する場合には、特に。
10数年前に、私が入社したばかりの時に、青森で一件工場を見つけ、とんとん拍子で話は進み、製品化された。
りょくけんのお客様に瞬く間に支持され、人気商品になった。
が、お付き合いを始めて1年で工場が倒産してしまった。
それからしばらくの間、お客様からのご要望はあるものの、お応えできない状況が続いてしまった。