菜花、スナップエンドウ、アスパラガス、たけのこ(まだ週一回限定ですが)。店頭に並ぶ野菜たちも春めいてきました。そんな中、とっても美味しくなっている野菜があります。いつもそこにあるから、僕はあまり気づいてなかったのですが、敏感な銀座のお客様はすでに気づいていました。「これ美味しかったのよオ。今日も買ってくわ。」と手渡されたのは・・・。
ピーマン。
りょくけんを応援してくれる糸井重里さんをして、
「こどものきらいな野菜って、よく言われましたよね。」
と言わしめたりょくけんのピーマン。
要は、きらいな野菜とよく言われるピーマンなのだけれど、りょくけんピーマンは、お子さんだって喜んで食べるくらい美味しいんだぞ、ということ。さすが、名コピーです。
りょくけんのピーマンは、肉厚でとってもジューシー。生のままガブリと食べられます。焼けば、香ばしさが加わり、味も濃縮して、別の美味しさになります。その美味しさの秘密は主に三つ。
ひとつは産地、沖縄の気候。しかも3~5月にかけてのハウスの中が良いとか。ピーマンの原生地は、南米の熱帯雨林 アマゾンだと言われ、巨大な木々からもれてくる強い光を好みます。これが、この時期の沖縄のハウスの中で再現されます。暖かくなり始めた沖縄でハウスのビニール越しに差し込む光が、熱帯のそれに似ているというワケです。
ふたつ目は品種。見てもらえばすぐに分かりますが、スーパーで並んでいる品種とはやっぱり違う品種を、しつこくもりょくけんは世に送り続けています。今のピーマンは、ししとうが交雑された品種で、そのために、皮が薄く、独特の青臭さがあります。なんでそんな美味しくなさそうなものを作るかといえば、収穫量が多いためです。ししとうはとっても豊産性で、作りやすい作物のひとつで、その性質がピーマンにも受け継がれ、農家さんの収入も安定しました。
対して、りょくけんのピーマンは…。花が飛びやすく、生産量が安定しません。したがって、収穫量もずっと少ない品種なのです。それにもかかわらず、毎年、つくってくださる吉田さんたちに感謝。そう、やっぱり三つ目の秘密は、農家さんの技術と情熱。
自然環境と、品種、作り手が、三位一体となって初めて生まれ、継承される味なんですよね。
めまぐるしく変わる旬の野菜たちに囲まれて、比較的長い旬を楽しめる野菜です。地味ですけど、ぜひ一度召し上がってみてください。